「日本語全史」読了
2018-03-07


沖森卓也「日本語全史」を読了。

 ちくま新書の中でも400ページ超えの大作。お値段もそれなり。

 日本語の変遷を、万葉時代から現代まで、簡潔に述べていくのだが、学校では無味乾燥なものでしかなかった日本語の文法の変遷には、新たな発見もあり、興味深かった。

 印象的なのはあとがき。「社会が変化するように、ことばも変化するものであり、変化の中にこそ人間の真の姿があると言える。その意味で、ことばの乱れ、ことばの揺れ、ことばの変化は、ことばの自然なあり方なのである。」とある。

 巷で何かと耳にする「美しい日本語を守ろう」「最近のことばの乱れは許せない」などという言説が、いかに恣意的で危険なものか、思い知らされるような言語観だ;
[book]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット