ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホールで
2018-09-25


ベルリン・フィルがネット上で配信しているデジタル・コンサート・ホール。
数年前から1年間の料金を支払って時々視聴している。

 今回はベルント・アロイス・ツィンマーマン作曲のヴァイオリン協奏曲が含まれた、フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮のプログラム。現代音楽としてもまだまだ知名度の低い作品だが、ストラヴィンスキーの名曲をあの明快なリズムで仕上げたロトだけに、期待も大きかった。ヴァイオリン・ソロはカロリン・ヴィトマン。

 ツィンマーマンのヴァイオリン協奏曲が凄い。怖い・不快・難しいといった現代音楽のイメージではなく、どちらかといえば戦闘シーンのBGMのような激しくパルシブな演奏が続く。美しいメロディーやアンサンブルといった、いかにもクラシックというイメージの曲とは全く違うが、とんでもなくスリリングな快演。

 現在この曲を収録した音源もほとんどなく、今回の配信はその意味でも貴重なものになる。他のプログラムもロトらしい、キレのある情熱的な演奏だ。一聴の価値がある。
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