メータとブニアティシヴィリのシューマンを聴く
2018-10-18


NHK-FMでズービン・メータ指揮、カティア・ブニアティシヴィリをソロに迎えたシューマンのピアノ協奏曲を聞く。

 冒頭から超快速ですっ飛ばすと思えば、次にはぐっとテンポを落とすといった感じで、かなりアゴーギグを効かせた演奏。ライブならではの即興性が楽しい。どちらかといえばスポーツ感覚的な演奏で、盛り上がりには事欠かないが、ダークサイドの表現はあまり感じられない。

 今週のアジア系指揮者のライブには共通してどことなく明るさ、健全さが漂っているように感じた。若手や最近の演奏家はともかく、メータのようなテランでもそのような傾向にあるのは、なにか共通のものがあるように思える。もっともメータのシューマンの場合、ピアノのブニアティシュヴィリの切り込みに煽られた可能性はあるだろう。

 健全な演奏が続くと、どこかダークでドロドロとしてセクシーな演奏が聴きたくなるのは人情か。

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